妊娠中のビタミンD(VD)補充は、早産や低出生体重児の減少といった妊産婦と新生児の健康転帰に良い影響をもたらし、産後出血などの妊娠有害転帰リスク低減との関連が指摘されている。研究30件・7,033例を対象とした2019年のCochrane Reviewでも、妊娠中のVD補充は子癎前症、妊娠糖尿病、低出生体重児のリスクを減少させることが報告されている(Cochrane Database Syst Rev 2019; 7: CD008873)。しかし、米・Florida International UniversityのCristina Palacios氏らが、科学的研究の公平性、バイアスリスク、エビデンスの確実性を評価するために開発された最新のCochrane Pregnancy and Childbirth Trustworthiness Screening Tool(CPT-TST)を用いて検討した結果、研究デザインの限界、試験間の矛盾、不正確さにより30件中21件が対象外とされ、エビデンスの確実性は、低いまたは非常に低いに格下げされたと、Cochrane Database Syst Rev(2024; 7: CD008873)に報告した。(関連記事「ビタミンDサプリで骨折リスク減少せず」)