デュークラバシチニブ、中等症~重症の頭皮乾癬に有効性示す

ブリストル・マイヤーズ スクイブ

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 ブリストル・マイヤーズ スクイブは本日(9月30日)、経口選択的アロステリックチロシンキナーゼ(TYK)2阻害薬デュークラバシチニブ(商品名ソーティクツ)の有効性と安全性について、第Ⅲb/Ⅳ相多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験PSORIATYK SCALPおよびリアルワールドのレジストリ研究The Registry of Psoriasis Health Outcomes: A Longitudinal Real-World Collaboration Study(RePhlect)で示された良好な結果を発表した。いずれも詳細は、欧州皮膚科性病学会(EADV 2024)で報告された。(関連記事「TYK2阻害薬デュークラバシチニブの実力」)

 デュークラバシチニブは、TYK2およびその下流の機能をアロステリックに阻害するTYK2阻害薬。PSORIATYK SCALP試験の対象は中等症~重症の頭皮乾癬患者。中等症~重症の定義は、scalp specific PGA(ss-PGA)3以上、Psoriasis Scalp Severity Index(PSSI)12以上、Scalp Surface Area(SSA)20%以上とし、病変の体表面積3%以上とした。

 16週における有効性解析および安全性解析対象は、デュークラバシチニブ群103例、プラセボ群51例。主要評価項目とした16週のss-PGAスコア0/1(消失/ほぼ消失)の達成率は、プラセボ群の13.7%に対しデュークラバシチニブ群では48.5%と有意に高かった(P<0.0001)。主な副次評価項目とした、PSSI 90(PSSIの90%以上の改善と定義)はプラセボ群が2.0%デュークラバシチニブ群が38.8%頭皮瘙痒のベースラインからの平均変化はそれぞれ-0.7-3.2と、いずれもデュークラバシチニブ群で有意に良好だった(全てP<0.0001)。安全性プロファイルは、これまでに乾癬に対して行われた臨床試験と一貫していた。デュークラバシチニブ投与に関連た有害事象として多く認められたのは、鼻咽頭炎(14.6%)、上気道感染症(11.7%)、痤瘡(9.7%)、頭痛(7.8%)、新型コロナウイルス感染症(5.8%)、膿疱性痤瘡(5.8%)だった。

 一方、RePhlectでは中等症~重症の乾癬患者108例を含む118例を評価した。解析の結果、デュークラバシチニブの6カ月継続投与後の有効性は、POETYK PSO試験で中等症~重症の乾癬患者において確認された有効性の評価と一貫していた。

 対象(登録時の平均 PASIスコアは6.3)の67.9%がPASIスコア3以下を達成し、登録時からの変化量は-4.1と有意な改善を示し、BSA(組み入れ時の平均BSAは9.3)は患者の64.1%がBSA 3%以下を達成、変化量は-5.8と有意な改善が認められた(全てP<0.001)。同様に Investigator's Global Assessment(IGA)スコア(登録時の平均2.7)についても、46.8%がIGAスコア0/1を達成し、変化量は-1.2と有意な改善を示した(P<0.001)。これらの結果は、中等症~重症の乾癬患者のサブグループ群においても一貫して認められた。

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