仮想現実は幻肢痛患者の福音となるか?

XRを用いた治療のランダム化比較試験

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 事故や疾患により四肢を切断した患者では、失った手足に痛みを感じる幻肢痛が高頻度に現れる。有効な治療法が確立されていない中、Extended reality〔XR:拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、複合現実(MR)の総称。現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはないものを知覚できる技術〕を用いた非薬物的介入が注目されている。スウェーデン・Chalmers University of TechnologyのMax Ortiz-Catalan氏らは、幻肢痛患者に対するXRを用いた幻肢運動遂行(PME:仮想空間の幻肢を動かす運動をする訓練)と幻肢運動イメージ(PMI:仮想空間の幻肢を動かすようイメージする訓練)の有効性を国際多施設共同二重盲検ランダム化比較試験(RCT)で検証。PMEとPMIはいずれも幻肢痛の軽減に有効で、7割前後の患者で臨床的に意味のある疼痛の改善が得られたとの結果をPain2024年9月5日オンライン版)に報告した。(関連記事「『脳マシンインターフェース』臨床化に期待」)

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする