新規抗菌薬セフィデロコル、良好な臨床効果を発表

塩野義製薬

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 塩野義製薬は昨日(10月17日)、昨年(2023年)12月に承認されたグラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコル(商品名フェトロージャ)の有効性と安全性を評価した国際多施設共同後ろ向きリアルワールド観察研究PROVEにおいて、良好な臨床効果が示されたと発表した。(関連記事「塩野義製薬の新規抗菌薬フェトロージャが承認」)

 同薬は、多剤耐性菌を含むグラム陰性菌の外膜を効果的に通過し、抗菌活性を発揮する新規のシデロフォアセファロスポリン系抗菌薬。これまでに日本、米国、欧州、台湾で承認を取得している。

 PROVE研究では、重症のグラム陰性菌感染症で入院中の患者1,075例にセフィデロコルを投与。感染症の内訳は、呼吸器感染症が53.1%、尿路感染症が10.6%、血液感染症が10.0%で、集中治療室入室例が56.6%、カルバペネム系抗菌薬耐性例は74.6%。主な原因菌は、緑膿菌が35.9%、アシネトバクター・バウマニが18.1%、腸内細菌目細菌が13.1%、複数のグラム陰性菌同時感染例は25.2%だった。

 主要評価項目とした臨床的成功率(症状が消失/改善した割合)は、呼吸器感染症患者で71.6%血液感染症患者で74.1%尿路感染症患者で91.2%全体では75.1%に上り30日以内の全死亡率は23.3%と、セフィデロコルの良好な臨床効果が示された副作用は25例と忍容性も良好だった。

 なお結果の詳細は、米国感染症学会週間(IDWeek 2024、10月16~19日)で発表されるという。

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする