日本では、再発/難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)に対する救援化学療法として、リツキシマブ+ポラツズマブ ベドチン+ベンダムスチン(Pola-BR)療法やリツキシマブ+イホスファミド+カルボプラチン+エトポシド併用(R-ICE)療法などが行われるが、いずれも長期入院による静脈投与が必要で患者負担の大きさが課題となっている。CD3/CD20二重特異性抗体エプコリタマブは皮下投与であるため治療時間が大幅に短縮でき、患者負担の軽減によるQOL改善が期待される。しかし、再発/難治性 LBCLの治療法がQOLに及ぼす影響についてのエビデンスは不足している。大阪国際がんセンター血液内科副部長の藤重夫氏は日本人の一般人口を対象に、エプコリタマブによる治療とQOLとの関連性についてヴィネット法に基づくTime Trade-off(TTO)研究で検討。その結果、「Pola-BR療法やR-ICE療法と比べてエプコリタマブによる治療は利便性が高く、QOLの向上に寄与すると推定された」と、第86回日本血液学会(10月11~13日)で報告した。(関連記事「エプコリタマブ、欧州委員会が再発/難治性濾胞性リンパ腫の適応で承認」。)