冠動脈内皮機能障害はアテローム動脈硬化症の関連因子である。これまでにスタチンやスタチンと小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブの併用療法による冠動脈内皮機能障害の予防効果が報告されているが、治療抵抗例の存在が課題となっている。治療抵抗性のLDLコレステロール(LDL-C)高値例に対しては、PCSK9阻害薬エボロクマブによるLDL-C低下効果が示されているものの、冠動脈内皮機能障害を改善するかは明らかでない。九州大学病院循環器内科診療准教授の的場哲哉氏は第32回日本心血管インターベンション治療学会(7月25~27日)において、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後のスタチン抵抗性脂質異常症患者に対するエボロクマブの効果を検討したCuVIC-2試験の結果について、スタチンによる治療に比べ、エボロクマブ治療による冠動脈内皮機能改善効果は認められなかったと報告した。(関連記事「どこまで進んだ?脂質異常症治療薬の開発」)