MASLD/MASHは心血管疾患の危険因子

高リスク患者の抽出と管理の重要性

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 2023年6月、欧州肝臓学会(EASL)、米国肝臓病学会(AASLD)、ラテンアメリカ肝疾患研究協会(ALEH)が合同で脂肪性肝疾患の病名・分類法の変更を発表した。これを受け、日本でも昨年(2024年)8月に日本消化器病学会、日本肝臓学会によって「脂肪肝(fatty liver)」は「脂肪性肝疾患(Steatotic Liver Disease;SLD)」に、「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」は「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)」に、「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」は「代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」に改称された。2014~18年の国内健康診断コホート10万8,446例を対象に行ったJapan Study Group of NAFLD(JSG-NAFLD)では、従来のNAFLD患者の97%とMASLD患者の99%が一致していることが判明し(Gastro Hep Adv 2024; 3: 1148-1156)、「NAFLD≒MASLD」として扱ってよいと結論された。また別の研究では、日本の健診受診者に占めるMASLD患者の割合は25.8%と報告されている(Hepatol Res 2023; 53: 1059)。大阪大学大学院循環器内科学の小関正博氏は、MASLD/MASHと心血管疾患との関連について最新の臨床研究、新しく保険収載された活動性や線維化のバイオマーカー、治療法の現状について第58回日本成人病(生活習慣病)学会(1月11~12日)で解説。「健康長寿の実現には、国民の約4分の1が罹患するMASLD患者の中から、より高い合併症発症リスクを有するMASH患者を特定するためのスクリーニング法の開発が重要である」と強調した(関連記事「MASLD/MASHの日本語名が決定!」)。

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