オーバードーズ防止に向け、小中高生向けの周知資材を作成

厚生労働省

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 厚生労働省医薬局医薬安全対策課は昨日(2月20日)、①市販薬の乱用防止を目的とした啓発関連資材(小学生および中高生向け冊子・動画)、②薬剤師、登録販売者などを対象に市販薬の乱用に苦しむ若者を適切な支援先につなぐことなどを目的とした対応マニュアル-を作成し、公式サイトに公開した。(関連記事「高校生の市販薬乱用が深刻化、規制も検討を」「HPVワクチン、キャッチアップ期限延長の周知資材を作成」)

漫画形式やイラスト付きで分かりやすく解説

 近年、10~20歳代の若者を中心に鎮咳去痰薬などの市販薬を大量に摂取し、救急搬送されたり、薬物依存に陥ったりする、いわゆるオーバードーズ(OD)事例が急増しており、若者に対する予防啓発や相談・支援体制の整備が求められている。

 こうした背景の下、厚労省は「学校薬剤師・地区薬剤師会を活用したOTC濫用防止対策事業」において、小中高生向けのOD防止を目的とした資材(図1、2)、市販薬を販売する薬剤師などを対象とした対応マニュアルを作成した。

図1. 小学生向け冊子

図2. 中高生向け冊子

 小学生向け冊子では、漫画形式で薬の用法用量を守ることの大切さやODの危険性について解説し、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」の番号などを掲載。中高生向け冊子では、ODの発生頻度や影響、ODに至る動機などをイラスト付きで解説し、精神保健福祉センター、女性支援ポータルサイト「あなたのみかた」など専門の相談窓口を紹介している。

 薬剤師などを対象とした『ゲートキーパーとしての薬剤師等の対応マニュアル』では、ODの実態を概説した上で、ゲートキーパーとしての現場での対応法について具体的な対処法を交えながら紹介。①気づく:悩み・相談を抱えた当事者(購入者、生徒、家族)に気づく、②関わる:声をかけ、共感的な態度で話を聞く(傾聴)・信頼関係の構築、③つなぐ:薬物問題の専門的支援につなぐ、④見守る:当事者との良好な信頼関係を維持し、その後を見守る-の4フェーズを適切に繰り返すことで、当事者が適切な支援を受けるためのきっかけづくりにつながるとしている(図3)。

図3. 4つのフェーズに基づく対応のイメージ

(図1~3とも厚生労働省発表資料)

 なお、啓発動画については、厚労省の公式YouTubeチャンネルから閲覧できる。

●厚労省YouTube公式アカウント

https://www.youtube.com/user/MHLWchannel

●薬のオーバードーズって何だろう~あなたとあなたの大切な人の命を守るために~(小学生向け)

https://www.youtube.com/watch?v=DT1rJZxU9w0

●薬のオーバードーズって何だろう~あなたとあなたの大切な人の命を守るために~(中高生向け)

https://www.youtube.com/watch?v=y9LgKrd4aaI

編集部・関根雄人

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