Stevens-Johnson症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)は、粘膜の水疱形成や上皮の剝離を引き起こす重症薬疹である。近年、両疾患による死亡率は低下しているものの、疾患関連後遺症は急性期以降も継続することから、慢性疾患として集学的治療を行う必要性が認識されつつある。SJS/TENは多臓器不全や敗血症などの合併リスクが高いことが知られているが、心血管イベントへの長期的な影響は明らかでない。台湾・National Taiwan University Hsin-Chu HospitalのHsien-Yi Chiu氏らは、SJS/TEN例における長期的な心血管転帰を調査。SJS/TENは心血管死リスクの上昇と関連し、急性期以降も4~7年にわたりリスク上昇が維持されるとの結果をJAMA Dermatol(2025年2月19日オンライン版)に発表した(関連記事「全クラスの抗菌薬が重篤な薬疹リスクと関連」)。