帯状疱疹ワクチン定期接種開始でGSKが声明

「リスクから守る重要な取り組み」

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 グラクソ・スミスクラインは本日(4月1日)、帯状疱疹が予防接種法のB類疾病に位置付けられ、同社が製造販売する乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン(商品名シングリックス筋注用)を含む2つのワクチンが定期接種として使用可能となったことを受け声明を発表。「国によるワクチンの定期接種化は、対象となる方々を帯状疱疹のリスクから守ることに寄与する重要な取り組み」と公式サイトに掲載した。(関連記事「神経痛だけじゃない!帯状疱疹の合併症」)

高齢者に対する有効性が高く、持続期間も長いシングリックス

 シングリックスは、帯状疱疹の予防を目的とした世界で初めての遺伝子組み換え型のサブユニットワクチンで、現在50カ国以上で販売されている。国内では、2018年3月に50歳以上を対象として承認を取得。2020年1月に販売が開始され、2023年6月には帯状疱疹の発症リスクが高い18歳以上に適応が拡大された。

 また、既存の生ワクチンと比べ高齢者に対する有効性が高く、持続期間も長いことが報告されており(関連記事:「帯状疱疹ワクチン、使い分けのポイントは」)、50歳以上を対象とした臨床試験(ZOSTER-049)において帯状疱疹に対する予防効果の10年以上の持続が示されている。

 日本人では、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると指摘されており、高血圧、糖尿病、リウマチ、腎不全といった基礎疾患がある者は、帯状疱疹の発症リスクが高くなるとの報告もある。声明の中で同社は「ワクチンを必要とされる皆様にお届けするために、引き続き、医療機関、医師会、地方自治体などの関係者様へ適正使用情報を提供するとともに、一般の方々への予防啓発活動にも積極的に取り組んでまいります。」としている。

 なお、定期接種対象者は以下の通り。

・65歳の者

・60歳以上65歳未満の者であって、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な者

・2025~29年度の5年間の経過措置として、その年度内に70、75、80、85、90、95、100歳となる者。なお2025年度に限り、100歳以上の者は全員対象。

 詳細は、厚生労働省の公式サイト(帯状疱疹ワクチン)も確認されたい。

(編集部・小暮秀和)

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