医薬品医療機器総合機構(PMDA)は昨日(5月14日)、ギリアド・サイエンシズからの相談に基づき4月18日付でHIV-1感染症治療薬ビクテグラビルナトリウム/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩(B/FTC/TAF、商品名ビクタルビ配合錠)の添付文書を改訂した旨を公式サイトに掲出した。「効能又は効果に関連する注意」の項に投与対象となる患者を追加し、「臨床成績」の項には国際共同第Ⅲ相臨床二重盲検並行群間ランダム化比較試験GS-US-380-4030に関する記載を新設した。(関連記事「イクスタンジとパキロビッドが併用禁忌に」) 切り替え前6カ月間以上のウイルス学的抑制達成例を追加 これまで、B/FTC/TAFの投与対象は①抗HIV薬による治療経験がない、②ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前3カ月間以上においてウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており、ビクテグラビル、エムトリシタビンまたはテノホビルに対する耐性関連変異を持たず、同剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療-のいずれかに該当するHIV-1感染症患者とされていた。 今回、③切り替え前6カ月間以上においてウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており、ビクテグラビルまたはテノホビルに対する耐性関連変異を持たず、同剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療患者-を追加した。 DTG+FTC/TAFに非劣性を示す 今回の改訂は、GS-US-380-4030試験のデータに基づくもの。同試験では、抗HIV薬による治療経験がありウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量50copies/mL未満)が6カ月以上〔核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)変異あり例/疑い例〕または3カ月以上(NRTI変異なし例/疑いなし例)得られているHIV-1感染症患者を対象として、ドルテグラビル(DTG)+FTC/TAFまたはDTG+FTC/テノホビルからB/FTC/TAFに切り替えた場合の有効性と安全性を検討した。 解析の結果、切り替え後48週時のウイルス学的失敗例の割合は対照としたDTG+FTC/TAF群の1.1%に対し、B/FTC/TAF群では0.4%と非劣性が示された(群間差-0.7%、95.001%CI -2.8~1.0%、非劣性マージン4%)。 なお、「臨床成績」の項に同試験の詳細な成績を記載している。 (編集部・関根雄人)