百日咳ワクチンの安定供給通知を発出 需要が例年の5倍に急増 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 百日咳の累計報告数は5月11日時点で1万6,000人を超え、全国的な流行が続いている。それに伴い、百日咳・ジフテリア・破傷風3種混合ワクチン(商品名トリビック)の需要が例年の5倍に急増。販売元の田辺三菱製薬は5月7日付で限定出荷を開始した。こうした事態を受け、厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部予防接種課長は5月19日付でワクチンの安定供給と定期接種の実施に向けた対策を講じる旨の通知(感予発0519第1号)を発出。予防接種推進専門協議会も5月21日付で公式サイトに「百日咳流行に伴うワクチン接種に関するお願い」を掲出し、対応策を周知した。(関連記事「百日咳ワクチン、母子免疫と医療者接種の考え方を公表」「百日咳で女児死亡/ペイハラの実態」) 5種混合ワクチンの導入を受け、4種混合ワクチンは製造終了に 百日咳などを対象とした予防接種法に基づく第一期の定期接種では、百日咳・ジフテリア・破傷風・急性灰白髄炎(ポリオ)・インフルエンザ菌b型(Hib)の5種混合ワクチン、百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオの4種混合ワクチン、3種混合ワクチンを用いることとしている。 現時点で5種混合ワクチンは安定供給されているものの、同ワクチンの定期接種への導入を受け4種混合ワクチンは製造終了となった。3種混合ワクチンは成人などへの任意接種にも用いられるため製造販売は継続しているが、今般の需要急増を受けて限定出荷となっている。 医療機関および卸売販売業者への周知事項を整理 こうした事態を受け、厚労省は安定的な供給確保および予防接種の適切な実施の観点から、3種混合ワクチンの製造販売業者である阪大微生物病研究会との間で前倒し出荷などに関する調整を実施。医療機関、卸売販売業者に対し周知してほしい事項を以下のように整理した。 ●医療機関などに対する周知事項 ①ジフテリア、百日咳、ポリオ、破傷風に対して行う第一期の定期接種については、2025年2月27日付け事務連絡で提示した通り、4種混合ワクチンの製造販売業者から販売中止に関する連絡があったことを踏まえ、同ワクチンを用いて当該第一期の定期接種を完了できないことが見込まれる者については、5種混合ワクチンを用いて当該第一期の定期接種を完了する(再周知) ②4種混合ワクチンおよびHibワクチンの残りの接種回数に留意して接種を実施するなどの事情のため、3種混合ワクチンを用いた接種を定期接種として取り扱うことは可能だが、当該第一期の定期接種には5種混合ワクチンが使用できることおよび今般の供給状況などを踏まえ、3種混合ワクチンを用いた接種は必要最低限とする ③ワクチンの予約・注文を行う場合は、備蓄目的や前年同時期の使用実績よりも大幅に多いなど、必要以上に納入を求める行為は慎むこと。またワクチンの予約・注文は、供給ペースを考慮することが望ましく、接種希望者から申し込みがあった段階で必要に応じて行う ●卸売販売業者に対する周知事項 ①3種混合ワクチンについて、ジフテリア、百日咳、ポリオ、破傷風に対して行う第一期の定期接種において使用される状況もありうることから、定期接種対象者への接種機会を確保するため、医療機関などからの予約・注文時に当該第一期の定期接種での使用を目的とした3種混合ワクチンの注文を確認した場合は、当該注文に係るワクチンの供給を優先する。また、在庫量を確認の上、必要な場合は地域間、営業所間の在庫融通を行うとともに、必要に応じて都道府県および市町村と連携する ②医療機関などから予約・注文を受けた際は、必要に応じてワクチンに関する在庫量などについて情報提供を行う。またワクチンの偏在が起こらないように、医療機関などの在庫を確認した上で、随時、必要量を供給する。なお、新規開業により納入実績がないものの、予防接種を実施しようとする医療機関などから新たにワクチンの注文があった場合は、当該施設の不利とならないよう、配慮する 重症化リスクが高い早期乳児への接種が最優先 また、予防接種推進専門協議会は「3種混合ワクチンの供給が制限されている中で、重症化リスクが高い早期乳児への感染を防ぐための接種を最優先とし、次いで乳児と頻回に接触する感受性者への接種を優先する必要がある」と指摘。以下の対応を推奨している。 ①定期接種対象である乳児に対して、生後2カ月から遅滞なく5種混合ワクチンを確実に接種する ②妊婦が3種混合ワクチン接種を希望する場合は、地域内での供給調整を図る ③就学前の幼児、学童、医療関係者などへの3種混合ワクチン追加接種については、新生児や早期乳児との接触頻度の高い者を優先対象とし、地域の供給状況を踏まえて段階的に実施を検討する (編集部・関根雄人) 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×