大うつ病性障害(MDD)と肥満はしばしば併存するが、合併例ではMDDの標準的薬物療法に治療抵抗性を示す例が多い。ドイツ・Charité-Universitätsmedizin BerlinのChristian Otte氏らは、LDLコレステロール(LDL-C)低下作用に加えて抗うつ作用も有することが示唆されているスタチンのうち、シンバスタチンを選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)エスシタロプラムに上乗せし、抑うつ症状の軽減を検討するプラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)を実施。検索的評価項目の血管リスクプロファイルが有意に改善したにもかかわらず、抗うつ効果は増強されなかったとの結果を、JAMA Psychiatry(2025年6月4日オンライン版)に報告した。