代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)を合併した2型糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬の有効性について、肝脂肪化や肝酵素の低下を報告した研究は多いが、投与前後で詳細な肝組織の変化を検討した研究は限られる。金沢大学大学院内分泌・代謝内科学分野教授の篁俊成氏は、自身らがMASLD※合併2型糖尿病患者を対象にSGLT2阻害薬トホグリフロジンとスルホニルウレア(SU)薬グリメピリドの効果を検討した第Ⅳ相ランダム化比較試験(RCT)のデータを解析(Diabetes Care 2022; 45: 2064-2075)。「グリメピリドと比べ、トホグリフロジンは肝組織学的所見を有意に改善させた」と第68回日本糖尿病学会(5月29~31日)で報告した。(関連記事「脂肪肝炎マウスの脂肪腎にトホグリフロジンが有効」) ※元論文ではnon-alcoholic fatty liver disease(NAFLD)と表記