代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)の発症と進展には、インスリン抵抗性により惹起される代謝異常が関与している。インスリン抵抗性は動脈硬化を引き起こすため、MASLDの治療介入に際しては肝機能の改善に加え、体重減少と心代謝性危険因子の改善も考慮する必要がある。国立健康危機管理研究機構国立国府台医療センター副院長の栁内秀勝氏は、自身らが2型糖尿病患者を対象にデュラグルチド(Biomedicines 2023; 11: 869)またはセマグルチドと代謝パラメータとの関連を検討した後ろ向き研究(Biomedicines 2024; 12: 1001)を紹介しつつ、MASLD治療におけるGLP-1受容体作動薬の有用性について解説。「GLP-1受容体作動薬はMASLD患者の予後を改善しうる」と第68回日本糖尿病学会(5月29~31日)で報告した。(関連記事「GLP-1、肥満合併MASLD/MASHに期待」)