食道がん薬物療法の新たな選択肢に注目

第79回日本食道学会・企業展示ブース

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 今年(2025年)6月26~27日、国立京都国際会館(京都府)で第79回日本食道学会が開催された。会場は多くの参加者で活況を呈し、講演での質疑応答にとどまらず、新たな治療選択肢などに関して活発に議論する姿が各所で見られた。

写真1. 学会会場の様子

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新規抗PD-1抗体が関心集める

 企業展示会場「スワン」では、バイオテクノロジー企業のBeiGene Japanが抗PD-1抗体チスレリズマブ(商品名テビムブラ)のブースを展開。同薬をめぐっては、「食道癌診療ガイドライン」を作成する日本食道学会ガイドライン委員会が今年4月に速報コメントを掲出。日本を含む国際第Ⅲ相試験RATIONALE-306(Lancet Oncol 2023; 24: 483-495)およびRATIONALE-302(J Clin Oncol 2022; 40: 3065-3076)における良好な結果に基づき、①切除不能進行・再発食道癌に対する一次治療としてのチスレリズマブ+シスプラチン(CDDP)+フルオロウラシル(5-FU)療法、②切除不能な進行食道扁平上皮癌に対する二次治療としてのチスレリズマブ投与-を新たな選択肢として「強く推奨する」(エビデンスの強さ:A)と発表している(関連記事:「抗PD-1抗体チスレリズマブ、根治切除不能な進行・再発の食道がんで承認」)。

 速報後初の開催となった今学会では同社のブースに立ち寄る多数の医師の姿が見られ、同薬の登場に対する関心の高さがうかがわれた(写真2)。

写真2. 企業展示スペース

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 なお同社は本日(7月1日)、グローバルでの法人登記のスイス移転と社名変更に伴い、社名をBeiGene JapanからBeOne Medicines(ビーワン・メディシンズ)に変更したと発表。「グローバル臨床開発チームとともにスピードと品質を兼ね備えた治療の実現に取り組んでいく。グローバルと地域をつなぐハブとしての役割をさらに強化し、日本の医療に貢献したい」とコメントしている。

写真3. 「スワン」会場に面する日本庭園のハクチョウ

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(第79回日本食道学会取材班)

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