今年(2025年)5月、経口補体B因子阻害薬イプタコパン塩酸塩水和物(商品名ファビハルタ)にC3腎症の効能・効果が追加された(関連記事「イプタコパン、C3腎症への適応追加承認」)。C3腎症は免疫系の補体第二経路の調節異常によりC3蛋白質が糸球体に沈着し糸球体に炎症を来す進行性の超希少疾患で、指定難病に認定されている。これに対し同薬は、C3腎症の根本原因を標的とする初の治療薬である。6月12日に東京都で開かれたプレスセミナー(主催:ノバルティス ファーマ)では、大阪大学大学院腎臓内科学教授の猪阪善隆氏および旭川医科大学内科学循環器・腎臓内科学分野教授の中川直樹氏が、C3腎症の病態と治療などを解説した。