食事から衣類まで、異業種連携で広がる乳がんケアの輪 第33回日本乳癌学会・企業展示ブース 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 2025年7月10〜12日に東京都で開催された第33回日本乳癌学会の企業展示ブースでは、乳がん治療の個別化や患者のQOL向上支援など、Patient-centered care(患者中心の医療)を意識した製品や取り組みが目立った。特に、乳がんの治療薬を有する製薬メーカーが異業種の企業と連携して患者の生活を支援する取り組みに参加者の注目が集まった。 日常生活の負担に寄り添う 味の素が開発し第一三共と普及中である「ReTabell(リタベル)」は、医療現場における食事相談への迅速かつ簡便な対応を可能にする献立支援サイトである。治療中で摂食に悩みがある患者に対し、AIも活用しながら栄養バランスの取れた献立を提案できる。 中外製薬は、疾患啓発から検診、治療、そしてフォローアップまで、乳がん患者のペイシェントジャーニーに沿った約30種類のサポート資材を作成。患者に寄り添い、日常生活の安心感を高める重要な支援として注目を集めた。 無印良品を展開する良品計画は、診察時/入院時、授乳期、腕や肩が上がりにくい時、少ない力や片手で着脱したい時などに使い勝手の良い前開きインナーシリーズを開発。素材には柔らかく肌あたりがやさしい再生繊維「リヨセル」を採用し、快適性と機能性の両立を実現した。 なお、同社ではピンクリボン月間に合わせたイベントや、乳がん診療に取り組む若手医師の団体「MIRAI1」との連携など、企業として乳がん領域の支援活動に継続的に取り組んでいるという。 このように、今年の乳癌学会の展示ブースでは、一般商材を展開する企業において、乳がん患者の日常生活における身体的・心理的な負担に寄り添う取り組みが多く見られた。ReTabellのプロジェクトリーダーを務める田中孝幸氏(味の素)からは「今後も、食事を通じて乳がん患者のセルフケア支援に貢献していきたい」といった声が聞かれた。 (第33回日本乳癌学会取材班) 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×