化膿性汗腺炎(HS)は、間擦部位に慢性炎症を繰り返す疾患。米国ではTNFα阻害薬アダリムマブ(ADA)が2015年に承認されて以降、2023年までHSに適応を持つ唯一の薬剤だった。乾癬患者では同薬の使用が皮膚外感染症の危険因子とされるが、HS患者における同薬使用に伴う感染リスクは十分に検討されていない。米・Brigham and Women's HospitalのBruna Galvao de Oliveira Wafae氏は、米国の大規模医療請求データベースを用い、ADAを新規に開始したHS患者と乾癬患者の皮膚外感染症リスクを比較する後ろ向きコホート研究を実施。乾癬群と比べ、HS群では皮膚外感染症による入院リスクが53%高く、特に敗血症と尿路生器感染症のリスクが2倍以上に高まるとの結果をJAMA Dermatol(2025年8月20日オンライン版)に報告した。(関連記事「化膿性汗腺炎で線維筋痛症リスク増」)