喘息治療において、吸入ステロイド薬(ICS)は長期管理薬の基本として位置付けられており、重症喘息には高用量ICSが用いられる。しかし、ICSは用量依存的に呼吸器感染症のリスクを高めるため注意が必要であり、他の喘息治療薬との併用やコントロール状況に応じた治療のステップダウンを考慮する。イタリア・University of BresciaのLaura Pini氏らは、重症喘息に対して抗IL-5受容体α鎖抗体ベンラリズマブが処方された患者を36カ月追跡し、同薬使用下におけるステロイド薬用量の推移および臨床的影響を検討する後ろ向きリアルワールド研究を行った。その結果、12カ月時には19.0%、36カ月時には37.4%の患者がICS減量を達成し、全体で経口ステロイド薬(OCS)の使用量はベースライン時の89.8%から36カ月時には4.9%へと大幅に減少したとRespir Med(2025; 245: 108198)に報告した。(関連記事「重症喘息へのベンラリズマブ、維持期も有効」)