加熱式たばこ普及で急性冠症候群入院が減少?

紙巻きたばこの影響の大きさがあらためて浮き彫りに

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 紙巻きたばこ喫煙は、動脈硬化、血栓形成、血管収縮を促し、高血圧、糖尿病、家族歴、高コレステロール血症などと並び重大な冠危険因子の1つである。他方、最近特に若年成人(20~49歳)を中心に普及が進んでいる加熱式たばこ(HTP)と心血管イベントとの関連については十分に検討されていない。国立循環器病研究センター情報利用促進部客員部長の岩永善高氏らは、国内における急性冠症候群(ACS)入院患者数の年次推移とHPT普及との関連について、分割時系列分析により検討した。その結果、全体ではHTP導入後にACS入院件数の変化はなかったものの、若年成人と喫煙者、HTP普及地域では有意な減少が認められた。同氏らは「観察研究の結果であり、HTPの普及とACS入院減との因果関係を示すものではない。研究期間中、紙巻きたばこ喫煙率が継続的に低下していたことに鑑みれば、ACS発症に及ぼす喫煙の影響の大きさがあらためて示唆される結果ともいえる」とJAMA Netw Open2025; 8: e2537334)のResearch Letterで報告した。(関連記事「1日1本の喫煙でも心血管リスク大」)

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