神経系の遺伝性疾患である脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する治療薬は、2017年にアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤ヌシネルセン(商品名スピンラザ)が登場し、今年(2025年)9月には同製剤の高用量(28mg製剤、50mg製剤)が追加承認されるなど、実臨床においても運動機能の改善が期待される。バイオジェンが10月16日に東京都で開いたメディアセミナーで、瀬川記念小児神経学クリニックの齋藤加代子氏(前東京女子医科大学ゲノム診療科特任教授)は、SMA治療薬として3剤が実臨床で使用される中、発症抑制に向け国が実施する新生児マススクリーニング検査の実証事業が始まったと紹介。その一方で、SMAにおけるアンメット・メディカルニーズがあり、ヌシネルセン高用量が承認され、SMA治療は新たな段階に入ったとの認識を示した。