がん5年生存率、部位で格差 悪性リンパ腫などで改善傾向―国立センター〔時事メディカル〕

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 国立がん研究センターは19日、2012~15年に診断されたがん患者約254万人の5年生存率を発表した。部位別で最高は、男性が前立腺(94.3%)で、女性は甲状腺(92.7%)。最低は男女とも膵臓(すいぞう)(男性10.7%、女性10.2%)だった。

 1993年以降の生存率推移を分析したところ、男女いずれも悪性リンパ腫や多発性骨髄腫などで改善が確認された。一方、膵臓などは大きな向上が見られず、依然として低水準にとどまった。

 集計には、国際的な基準を満たした44都道府県のデータを使用。前回(09~11年の診断症例22府県、約59万人分)と比べ対象地域と症例数が大幅に増えた。生存率は、がん以外の死因の影響を除いて推定する「純生存率」を用いた。同センターはこれまでがん患者全体の5年生存率も算出していたが、部位差が大きく、実態を反映しにくいとして、小児がんを除き今回は公表を見送った。

 小児がんを除いた生存率を部位別に見ると、男性は前立腺に次いで皮膚(90.9%)が高く、甲状腺(88.6%)と続いた。女性は皮膚(92.4%)が甲状腺に次いで高く、3番目は乳房(88.7%)だった。

 生存率は進行度でも大きく変わった。男女を合わせた集計で、転移がない場合、胃(92.4%)、大腸(92.3%)は9割を超えていたが、離れた臓器に転移している場合は下がり、胃は6.3%、大腸16.8%だった。

(2025年11月19日 時事メディカル)

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