新生血管型加齢黄斑変性(nAMD)に対する標準治療は抗血管内皮細胞増殖因子(VEGF)療法だが、主に新生血管および進行の抑制が目的であり治療継続の必要がある。疾患の背景には網膜色素上皮(RPE)の変性があるため、根治的治療として健常なRPEの移植が期待されている。神戸市立神戸アイセンター病院院長の栗本康夫氏は、世界初の人工多能性幹(iPS)細胞治療となるnAMDに対する自家iPS細胞由来RPEシート移植を実施。術後10 年間の成績を第64回日本網膜硝子体学会(12月5~7日)で報告し、「今回、iPS細胞治療の長期にわたる安全性と有効性が示された結果は意義深く、眼科領域にとどまらず幅広い領域での進展が期待される」と述べた。(関連記事「再生医療はここまで来た!」)