東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門特任教授の朝田隆氏は、日本睡眠学会第41回定期学術集会(7月7~8日,会長=日本大学精神医学系主任教授・内山真氏)で認知症と不眠と睡眠薬との密接な関係について報告した。同氏は最近、睡眠薬、ことにベンゾジアゼピン(BZ)系薬が認知症の原因になるのではないかといわれているが、同薬は認知症発症に直接的に影響するのではなく、認知予備能に損失を与えることで、認知症の発症リスクを高めていると指摘した。また、アルツハイマー病(AD)患者に運動習慣を身に付けさせることにより、記憶障害の改善が期待できるとの見解を示した。