開腹手術後には手術部位感染症(SSI)が頻発するため、予防策として術中に創部の灌流洗浄が世界的に行われている。しかし、消毒液による洗浄の有益性を支持するエビデンスは不十分である。ドイツ・Technical University of MunichのTara C. Mueller氏らは、開腹手術中のポリヘキサニド溶液を用いた術創洗浄によるSSIの予防効果を検証する多施設3群ランダム化比較試験(RCT)Intraoperative Wound Irrigation to Prevent Surgical Site Infection After Laparotomy(IOWISI)を実施。米疾病対策センター(CDC)の手術創清浄度分類でclassⅡ(準清潔手術)の開腹手術において、ポリヘキサニド溶液による術中の創部洗浄と生理食塩水による洗浄または無灌流との間で、術後のSSI発生率に有意差はなかったことをJAMA Surg(2024年2月21日オンライン版)に報告した。