遺伝性血管性浮腫患者のQOL、長期予防で向上

　遺伝性血管性浮腫（HAE）は、C1インヒビターの先天的な欠損または機能低下により、四肢、頭部、咽頭、腹部など全身性に突発的な浮腫を繰り返す。発作時は浮腫に伴う痛みや吐き気などが生じ、咽頭が腫脹した場合には窒息する危険もある。発作の頻度や重症度は予測できないことから、日常生活や社会活動が制限され、発作に対する恐怖や不安といった精神面の負担から、HAE患者の健康関連の生活の質（HRQoL）は著しく低下する。そのため、疾患負担を軽減し、HRQoLを向上させる効果的な治療法が求められている。近年、新しい長期予防（LTP）治療薬が登場し、発作頻度の減少や無発作期間の延長が実現しつつあり、患者のHRQoLも大きく改善してきた。米・CSLベーリングのRobbin Itzler氏らは、LTP治療による無発作期間とHRQoLとの関連性について調査。無発作期間の延長が血管性浮腫に関する生活の質質問票（AE-QoL）スコアを改善し、オンデマンド治療の回数も減少したと報告した（Orphanet J Rare Dis 2024; 19: 241.）