妊娠から出産に至るまで、さまざまな心身の変化が母親に負担をもたらすことはよく知られている。精神的な不調が続き、引き起こされる産後うつは生命に関わることもあり、早期介入が必要だ。第21回日本うつ病学会(7月12~13日)で筑波大学精神医学准教授の根本清貴氏は、産後うつ発症の背景にある要因の1つとして「ホルモンバランスの変化に加え、世間からのプレッシャー、パートナーとの関係の変化で孤独を感じ、自ら支援を遠ざけることでさらに孤立を深めてしまうことがある」と解説。地域の産婦人科からの紹介で精神科対応したことで、症状が回復した自殺未遂例を紹介し、産後うつに悩む女性への多方面からの支援の必要性を訴えた。