パーキンソン病(PD)患者の多くにおいて、疾患初期から異常蛋白質であるαシヌクレインの腸管神経叢への顕著な沈着・凝集が見られる。このことから、腸管に端を発した病理が迷走神経を介して脳に到達するという「PDの腸管起源説」が注目を集めている。しかし、腸管でのどのようなイベントが発端となってPDの病理が進展するかは依然として不明である。米・Beth Israel Deaconess Medical CenterのTrisha S. Pasricha氏らは、上部消化管内視鏡検査での粘膜損傷所見とその後の臨床的PD診断との関連を検討する後ろ向き研究を実施。上部消化管の粘膜損傷の既往は臨床的PD診断リスクの上昇と関連していることをJAMA Netw Open(2024; 7: e2431949)に報告した。(関連記事「パーキンソン病、歩行障害機序の一端を解明」)