日本肝臓学会の「奈良宣言2023」では肝疾患の早期発見を目的に、ALT値が30U/L超であった場合はかかりつけ医への受診を勧奨することが提唱された。30U/L超は代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)の拾い上げの糸口となるが、健康診断などにどの程度寄与しているか明らかではない。KKR高松病院(香川県)消化器内科の龍田美和氏らは人間ドック受診者のデータを解析し、ALT 30U/L超がMASLDの拾い上げに有効であるか否かを検討した。その結果、MASLDの拾い上げにALT 30U/L超のみでは十分ではなく、ALT 30U/L未満で「HbA1c 5.7%以上かつBMI 23以上」も加えることでMASLDの約7割が拾い上げ可能になることを第32回日本消化器関連学会週間(JDDW 2024、10月31日~11月3日)で報告した(関連記事〔「30U/L超」で受診を―奈良宣言2023〕)。