転倒などにより頭部を打撲すると、特に高齢者の場合、脳の表面と脳を保護する膜である硬膜の間に血液が溜まって(血腫)危険な状態に陥る可能性がある。このような硬膜下血腫に対しては、通常は手術による治療が行われるが、8〜20%の患者では、再発して再手術が必要になる。こうした中、標準的な血腫除去術と脳の中硬膜動脈の塞栓術(遮断)を組み合わせた治療が血腫の進行や再発のリスク低下に有効であることを示したランダム化比較試験の結果が報告された。米ワイル・コーネル・メディスン脳血管外科および介入神経放射線学分野のJared Knopman氏らによるこの研究結果は、「The New England Journal of Medicine(NEJM)」に11月20日掲載された。