免疫チェックポイント(CP)阻害薬は、腎細胞がん治療において生存期間の延長をもたらす画期的な薬剤である。しかし、高い効果の半面、全身の臓器に免疫関連有害事象(irAE)を引き起こしやすく、重症irAEの高率な発生が問題となっている。名古屋市立大学大学院臨床薬剤学分野の田﨑慶彦氏らは、重症irAEの発生を予測するバイオマーカーとしての好酸球の可能性を探るため、免疫CP阻害薬を投与した腎細胞がん患者を対象に多施設共同研究を実施し、治療前後の好酸球割合と重症irAE発生との関連を検討。その結果、好酸球の上昇例では重症irAE発生リスクが高いことが明らかとなった(Front Immunol 2025; 15: 1483956)。同氏らは、「免疫CP阻害薬を用いた治療を行う腎細胞がん患者において、好酸球割合の上昇は重症irAEの発生を予測するバイオマーカーとして期待できる」としている。