難聴は認知機能低下および認知症発症のリスクを高め、精神症状に悪影響を及ぼすことが知られている。難聴の主な補助手段は補聴器だが、諸外国と比べ日本での普及率、装着率は低く、難聴を伴う認知症患者では行動・心理症状(BPSD)や高次脳機能障害などが阻害要因との報告がある。そこで徳島大学大学院医歯薬学研究部准教授の千葉進一氏らは、マイクとスピーカーで構成される対話支援機器(商品名コミューン、以下、指向性スピーカー)を用いた看護介入に着目し、難聴を伴う認知症患者に及ぼす影響を調査。その結果、認知機能の改善や客観的QOL向上との関連が示唆されたと、四国医学雑誌(2024; 80: 113-120)に発表した。(関連記事「欧米に遅れる日本の難聴対策、補聴器使用も低率」)