厚労省、難病の疾病名変更で承認事項などの改訂求める

成人発症スチル病、マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 厚生労働省医薬局医薬品審査管理課、医薬局医療機器審査管理課、医薬局医薬安全対策課は昨日(2月17日)付で連名課長通知(医薬薬審発0217第1号、医薬機審発0217第1号、医薬安発0217第1号)を発出。指定難病である「成人スチル病」および「マルファン症候群」の疾病名がそれぞれ「成人発症スチル病」、「マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群」に改正されたことを受け、医薬品および医療機器の承認事項などや電子添付文書についても改訂を求めている。なお、承認事項などの変更に関しては軽微変更届出により行っても差し支えないとしている。

トシリズマブの効能・効果の範囲は変更ない点に留意

 成人スチル病に関し、従来は①若年期に発症し成人期に持ち越した、または再発した全身型若年性特発性関節炎(sJIA)、②成人期に発症したスチル病-を包含した呼称として用いられてきたが、成人期に発症したスチル病のみを指す呼称として「成人発症スチル病」が用いられることとなった。

 ただし、IL-6阻害薬トシリズマブについては、承認を受けている効能・効果として「既存治療で効果不十分な下記疾患 (略)全身型若年性特発性関節炎、成人スチル病」となっていることから、改訂後においても、効能・効果として薬事承認を受けた範囲は変更されない点に留意することとしている。なお、欧州リウマチ学会(EULAR)および小児リウマチ欧州協会(PReS)は、成人発症スチル病とsJIAの共通性を基に整理し、「スチル病」に呼称を統一するよう提唱している(関連記事「EULAR/PReSが『スチル病』に統一」)。

 マルファン症候群については、歴史的にロイス・ディーツ症候群はマルファン症候群の一部として扱われてきたが、近年の研究により原因遺伝子や臨床経過の点において特徴的であることが判明。両疾患名を併記することが一般的であるとして、改正に至った。

編集部・関根雄人

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする