発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は造血幹細胞に障害が生じる希少疾患で、血管内溶血や血栓症などを引き起こす終末補体の過剰活性が問題となる。治療の第一選択はヒト化抗補体(C5)モノクローナル抗体(C5阻害薬)エクリズマブまたはラブリズマブの点滴静注である。昨年(2024年)2月、PNHを適応として承認されたpH依存的結合性抗C5モノクローナル抗体クロバリマブは、C5阻害薬ナイーブ例または他のC5阻害薬からの切り替え例に対する安全性が認められ、有効性に関してはエクリズマブに対する非劣性が示されている。スイス・ロシュ社のValérie Cosson氏らは、クロバリマブの第Ⅲ相ピボタル試験COMMODORE 2、支持試験COMMODORE 1および3、第Ⅰ/Ⅱ相国際多施設共同非盲検試験COMPOSERのサブ解析を実施。組み入れ患者の97%以上および同薬の血中濃度が100μg/mL以上の患者で終末補体活性の完全阻害を達成したとの結果をBr J Clin Pharmacol(2025年1月21日オンライン版)に報告した(関連記事「夜間ヘモグロビン尿症新薬の安全性、標準薬と同等」)。