セントラルモニタへの登録忘れで心肺停止に

5年間で無線式送信機番号の登録忘れが7件発生

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 日本医療機能評価機構は本日(2月21日)、医療事故情報収集等事業「医療安全情報No.219 セントラルモニタへの無線式送信機番号の登録忘れ」(以下、安全情報)を公式サイトに掲出。患者に無線式送信機を装着したにもかかわらず、セントラルモニタに送信器番号を登録しなかったため、生体情報が表示されていなかった事例が2020年1月1日~24年12月31日に7件報告され、心肺停止状態で発見された事例もあったとし、関係団体に確認と周知を依頼した。(関連記事「経鼻栄養チューブ、誤挿入の見落としに注意喚起」)

別の業務をしている間に失念

 報告事例の主な背景は、①担当看護師は、無線式送信機を準備したリーダー看護師がセントラルモニタに送信機番号を登録したと思い込んでしまった、②看護師は忙しく、患者に無線式送信機を装着後に別の業務を行ったため、セントラルモニタに送信器番号を登録することを失念した-というもの。

事例1

緊急入院する患者の病室に、日勤のリーダー看護師が無線式送信機を準備。入院後、担当看護師が患者に無線式送信機を装着したが、既にリーダー看護師がセントラルモニタに無線式送信機の番号を登録したと思い込み、セントラルモニタの確認をしなかった。夜勤看護師もセントラルモニタに患者の心電図波形や動脈血酸素飽和度(SpO2)が表示されていないことに気付かなかった。翌日、日勤看護師が訪室した際、無線式送信機の画面でSpO2が90%に低下していることに気付いた。セントラルモニタと連動しているはずのナースコールが鳴動しなかったため確認したところ、無線式送信機が登録されていないことが判明。

事例2

医師から夜間に緊急入院した患者の心電図モニタリング指示を受け、看護師が無線式送信機を装着。その後、セントラルモニタに無線式送信機の番号を登録する必要があったが、別の業務をしている間に失念した。看護師は定期的に訪室して患者を観察していたが、セントラルモニタを見ていなかった。早朝、看護師が訪室した際、患者が心肺停止状態になっていることに気付いた。

図. 事例のイメージ

(医療安全情報No.219より)

 安全情報では、事例が発生した医療機関の取り組みとして、①患者に無線式送信機を装着する前に、セントラルモニタに番号を登録する②無線式送信機を装着後、直ちにセントラルモニタに心電図の波形やSpO2の値が表示されていることを確認する、③リーダー看護師は、モニタリングの指示が出ている患者の一覧とセントラルモニタに表示されている患者名を確認する-を挙げ、自施設に適した取り組みを行うよう呼びかけている。

編集部・関根雄人

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