運動による疼痛緩和作用は運動誘発性鎮痛(exercise-induced hypoalgesia;EIH)と呼ばれ、15分以上の運動後に主観的疼痛強度や痛覚感受性が全身性に減弱するとともに、 "runner's high"現象として知られる高揚感を伴う気分改善も生じることが知られている。神戸学院大学総合リハビリテーション学部教授の松原貴子氏の下、同学部の服部貴文氏とともに理学療法士として研鑽を積む同学部の大賀智史氏は、第54回日本慢性疼痛学会(2月22~23日)で、EIHの作用機序と、運動を構成する要素(脳運動野、骨格筋、関節)の役割、さらにその臨床応用について解説した(関連記事『「運動誘発性鎮痛」の阻害因子と治療戦略』)。