集中治療後症候群(post intensive care syndrome;PICS)は、集中治療室(ICU)退室後、さらには退院後に生じる身体機能・認知機能・精神の障害で、長期予後に影響を及ぼすだけでなく、患者の家族にも精神の障害が現れることがある(post intensive care syndrome-family;PICS-F)。こうした課題に対し、『日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)2020』(前回版)では「クリニカルクエスチョン(CQ)20:Patient and Family-centered care」において、世界に先んじて家族のケアにまで踏み込んだ推奨を行った。昨年(2024年)12月に改訂されたJ-SSCG2024では「家族ケア」と名称変更し、5つのCQを取り上げた。広島大学救急集中治療医学/同大学病院高度救命救急センター講師の太田浩平氏は、第52回日本集中治療医学会(3月14~16日)でCQ8「家族ケア」の改訂ポイントについて解説した。(関連記事「ICU治療患者と家族へのサポートは?」)