小児のぶどう膜炎は全体の8%と頻度が低く無症候性のケースが多いものの、慢性化すると視力障害を引き起こし、白内障、緑内障、弱視のリスクが高まる。ぶどう膜炎は若年性特発性関節炎(JIA)の主要な関節外症状だが、JIAと同じく免疫の異常が原因であるアトピー性皮膚炎(AD)との関連は明らかでない。台湾・Chi Mei Medical CenterのYung-Yu Chu氏らは、国際研究ネットワークTriNetXに登録された1億2,000万例超のデータを用い、早期発症ADと小児ぶどう膜炎との関連を検討する後ろ向きマッチドコホート研究を実施。その結果、ADのない対照群に比べ、AD群では小児ぶどう膜炎のリスクが約2倍と高く、特にAD重症例では3.5倍超に上り、抗インターロイキン(IL)-4/13受容体抗体デュピルマブ使用例や自己免疫疾患合併例を除外した感度分析でもリスク上昇が認められたとJAMA Ophthalmol(2025年4月3日オンライン版)に報告した。(関連記事「小児のアトピー+αで記憶障害リスク」「若年性特発性関節炎関連ぶどう膜炎の治療中断は慎重に」)