遺伝性血管性浮腫(HAE)は、遺伝子の異常により限局性の浮腫が突然出現し、一定期間後に消失する疾患だ。近年は治療薬の進歩により患者のQOLが改善された一方で、浮腫の発現部位や発作頻度には個人差があり、診断までに長期を要するという課題がある。今年(2025年)4月18日に、HAEの長期発作抑制治療薬としてファースト・イン・クラスの抗活性化第Ⅻ因子モノクローナル抗体ガラダシマブ(商品名アナエブリ皮下注)が発売された。同薬を製造販売するCSLベーリングが同日開催したメディアセミナーでは、同社エグゼクティブディレクター兼リージョナルリード/R&D(ジャパン&チャイナ)のRose Fida氏がガラダシマブの作用機序および国際共同第Ⅲ相試験VANGUARD(3001)について、広島市立病院機構理事長の秀道広氏がHAE治療における進展と課題について解説。秀氏は「HAE患者では、疾病負荷のない日常生活を可能な限り目指すことが今後の治療目標となる」と強調した(関連記事「HAE治療薬ガラダシマブが発売」、「診断まで平均15年、HAE早期診断の鍵は?」)。