2025年4月17〜20日に東京国際フォーラムで開催された第129回日本眼科学会は、学術セッションだけでなく企業展示ブースも盛況だった。各メーカーからは、眼科医療の未来を見据えた革新的な製品が多数紹介されていた。 デジタル技術の進歩を実感 医療機器では、キヤノンメドテックサプライの光干渉断層計(OCT)、OCTアンギオグラフィー(OCTA)などの画像診断機器に注目が集まった。人工知能(AI)を活用することで、立体的かつ高解像度の画像を実現し、診断の精度とスピード向上に寄与しているという。 他にも、眼科手術顕微鏡ZEISS ARTEVO 850/750を昨年(2024年)11月に販売開始したカールツァイスメディテックのブースなど、手術装置の展示にも多くの参加者が訪れていた。担当者によると、同製品では手術画像の質向上を実現しており、術者の負担軽減も期待されるという。 治療薬については、加齢黄斑変性(AMD)や糖尿病黄斑浮腫(DME)で使用される抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体薬の各社ラインナップが話題に。他にも、主に小児に使用される参天製薬の日本初近視進行抑制点眼薬アトロピン(商品名リジュセアミニ)が注目を集めた。 電子カルテも多くの企業で展示され、画像や検査機器との連携、解析など、眼科領域におけるデジタル技術の進歩が見られた。 眼科領域の医療機器や眼科専用電子カルテシステムなどを販売するトプコンメディカルジャパンの担当者からは、「早期の発見・治療を実現できるよう、常に技術革新に挑戦し、診断精度や治療技術の向上に貢献していきたい」といった声が聞かれた。 (第129回日本眼科学会取材班)