日本では外来で療養指導を実施している患者のうち、45.0%が心疾患であるにもかかわらず、心不全管理においては退院後の不十分なセルフケアに伴う再入院の増加が大きな課題となっている。海外では退院後早期の看護師主導型支援により患者のセルフケア行動が改善するとの報告があるものの(J Am Coll Cardiol 2019; 74: 1966-2011)、国内では看護師主導型支援は診療報酬に乏しく、計画的な実施が難しい。日本看護協会と神戸大学大学院保健学研究科看護学領域教授の宮脇郁子氏らは第89回日本循環器学会(3月28~30日)で、国内の慢性心不全外来患者に対する看護師主導型支援の有効性を検討した結果、セルフケア行動の改善が示されたことを発表。併せて、昨年度(2024年度)の診療報酬改定で、在宅療養指導管理料の対象に退院後1カ月以内の慢性心不全患者が追加されたことも報告した。