2025年4月24〜26日、東京の京王プラザホテルで第111回日本消化器病学会が開催された。企業展示ブースでは、近年の診療の標準化・均霑化を目指すトレンドを反映して、人工知能(AI)など新たな技術を活用した製品が多く見られた。 次世代の内視鏡シミュレータに注目 GEヘルスケア・ジャパンは、AIが臓器を認識し、血流表示やプリセットを自動調整する超音波画像診断装置「LOGIQ」シリーズを展開。この数年で技術革新が著しい内視鏡AIについては、オリンパスマーケティングが画像診断支援ソフトウェア「Endo BRAIN」を紹介した。同製品においては内視鏡システムとAIの組み合わせにより、リアルタイムで腫瘍の病理的予測、疾患の活動性評価が可能となるなど、診断支援の精度が向上している。 内視鏡をめぐっては、鳥取大学発のベンチャーであるR0(アールゼロ)の医療シミュレータ「mikoto」シリーズが注目を集めた。同製品は、術者の手技を各種センサーで客観的に評価・点数化することで、医師の教育や自己学習を支援する。従来の「大腸内視鏡モデル」に加え、昨年12月に「上部消化管内視鏡モデル」がラインナップに加わり、ブースを訪れた参加者が性能を質問する様子が見られた。 展示ブースの担当者からは「働き方改革に伴い業務の効率化が求められる中で、医療の質がしっかり担保される診療体制の構築に貢献していきたい」といった声が聞かれた。 (第111回日本消化器病学会取材班)