〔編集部から〕2025年5月30日〜6月3日に行われた米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025)より、注目演題の要点をレポートします。 (Infographic ©️Medical Tribune) 学会名:米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025) 学会レポート一覧を見る 会期:2025年5月30日〜6月3日 演者:Giuseppe Curigliano氏(イタリア・University of Milano) 背景 国際第Ⅲ相非盲検ランダム化比較試験EMBER-3では、アロマターゼ阻害薬(AI)ベースの治療後に病勢進行が認められたエストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性の局所進行/転移乳がん(ABC)患者を対象に、経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)imlunestrant単剤療法または同薬+CDK4/6阻害薬アベマシクリブ併用療法と標準治療との有効性および安全性を検討した 主解析では、ESR1変異陽性例において標準治療群に対するimlunestrant単剤群での無増悪生存(PFS)の有意な延長、ESR1変異の有無にかかわらず、imlunestrant単剤群に対するimlunestrant+アベマシクリブ併用群でのPFSの有意な延長が報告されている(関連記事「Imlunestrant、既治療ER+HER2-進行乳がんに有望」) 今回は、探索的評価項目として患者報告アウトカム(PRO)の解析結果が報告された 試験概要 組み入れ基準 ①ER陽性HER2陰性のABC、②男性または閉経後女性、③前治療歴(術後補助療法:AI±CDK4/6阻害薬の治療終了後12カ月以内に再発、ABC:一次治療としてのAI±CDK4/6阻害薬での進行、ABCに対するその他の治療歴なし) 介入 ●imlunestrant単剤群(331例うちESR1変異陽性138例):同薬400mg 1日1回投与●標準治療群(330例うちESR1変異陽性118例):フルベストラントまたはエキセメスタン●imlunestrant+アベマシクリブ群(213例):imlunestrant 400mg 1日1回+アベマシクリブ150mg 1日2回投与 主要評価項目 担当医師の評価によるPFS(INV-PFS):imlunestrant単剤群 vs. 標準治療群(ESR1変異陽性例)、imlunestrant単剤群 vs. 標準治療群(全例)、imlunestrant単剤群 vs. imlunestrant+アベマシクリブ群(全例) 重要な副次評価項目 全生存(OS)、盲検独立中央判定(BICR)の評価によるPFS(BICR-PFS)、全奏効率(ORR)、安全性 探索的評価項目 PFSおよびOS:imlunestrant+アベマシクリブ群 vs. 標準治療群(全例)、PRO:EORTC QLQ-C30質問票の全般的健康状態(GHS/QOL)および身体機能スコア、下痢および注射部位反応(フルベストラント投与例のみ)の発現頻度 <!-- 最初に読み込みたいリセットCSS(Destyle.css)を先に読み込みます -->