ある年度の皮膚科専門医認定試験では、遺伝学や遺伝性皮膚疾患に関する設問が全体の約15%を占めていた。専門医を目指す若手医師にとっても、こうした分野の理解は決して他人事ではない。名古屋大学大学院皮膚科学准教授の武市拓也氏は、第124回日本皮膚科学会(5月29日〜6月1日)の講演で、仮想問題を交えながら遺伝性皮膚疾患の基本的な知識を解説した。後半では遺伝性角化症に焦点を当て、ダリエー病、道化師様魚鱗癬、Peeling skin syndrome(PSS)、Netherton症候群について、原因遺伝子と臨床的特徴を紹介した。(関連記事「日本の希少疾患、患者数が最も多いのは?」)