低酸素性虚血性脳症(HIE)の発生率は出生1,000件当たり1.5~3例と新生児の脳疾患で最も頻度が高く、約3割が死亡や重篤な神経学的後遺症を来すことから、周産期管理における課題となっている。米・University of California, San FranciscoのDawn Gano氏らは同国カリフォルニア州で出生した母児を対象に、母親の人種・民族および健康の社会的決定要因(SDOH)とHIEとの関連を検討する人口ベースのコホート研究を実施。貧困地域に在住する母親やヒスパニック系の母親の出生児ではHIE発生リスクが低く、いわゆる「ヒスパニック・パラドックス」が認められたとの結果を、JAMA Neurol(2025年6月16日オンライン版)に報告した。(関連記事「新生児脳障害の新規バイオマーカー」)