近年、世界的に血管内留置カテーテルの感染管理に対する関心が高まっており、カテーテル関連血流感染症(CRBSI)をはじめとするバスキュラーアクセスデバイス(VAD)感染の予防に向けて多様なアプローチが開発・実践されている。一方、日本の医療現場に目を向けると、手指衛生の遵守率が海外に比べ低いなど、カテーテル管理にはいまだ改善の余地が大きい。第40回日本環境感染学会(7月10~12日)で自治医科大学さいたま医療センター救急科講師の安田英人氏は、カテーテル管理の原則である清潔操作の重要性を再提示し、国際的なトレンドとなっている2つの実践的アプローチ「無菌非接触技法(ANTT)」および「I-DECIDED」について、皮膚消毒薬の国内外での違いやドレッシング管理のピットフォールを含めて解説した。