最新機器が集結、効率化×負担軽減で進化する眼科診療

第79回日本臨床眼科学会・企業展示ブース

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 10月9~12日、大阪国際会議場・リーガロイヤルホテル大阪で第79回日本臨床眼科学会が開催された。企業展示ブースでは、診療現場の効率化を追求する技術や、医師の働きやすさを支援する取り組みが注目を集めた。

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処置・検査の省力化、時間短縮を実現

 効率化の点で参加者の目を引いたのは、処置や業務時間の短縮を可能にする製品だ。W&H Japanが展示した人工知能(AI)搭載滅菌器「Lara MED」は、被滅菌物の重量に応じて自動で滅菌時間を最適化し、軽量物では最短28分で完了。滅菌プロセス全体の効率化を実現する。

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 カールツァイスメディテックの角膜手術装置「ZEISS VISUMAX 800」は、低侵襲の視力矯正手術を可能にするフェムトセカンドレーザーだ。小切開部からのレンチクル摘出を実現し、患者の早期回復を支援する。

 GLAUKOSの「iStent inject W」は、全長わずか0.36mmの緑内障手術用ステントで、白内障手術と同時に数分で挿入できる。これにより、点眼治療の負担軽減や患者アドヒアランス向上につながると期待されている。

 ニコンソリューションズの眼撮影装置「BMizar」は、1秒当たり40万A-スキャンという高速スキャンを実現。従来のSwept Source-光干渉断層計(SS-OCT)の約4倍の速度で、広範囲(24mm×20mm)の撮影を7〜15秒で完了。検査時間短縮に大きく貢献する技術といえる。

働きやすさを支える最新の映像技術

 一方、医師の身体的負担を軽減する取り組みも進んでいる。

 ソニーマーケティングが展示した「LMD-XH550MT(55型3D対応4K液晶モニター)」を利用すると、術者は従来の顕微鏡をのぞき込む状態から解放され、自然な姿勢で手術を行える。3D対応により、奥行き感を保持したまま高精細な術野を確認できる点が特徴だ。

 これらの製品群は、効率化や就業環境の改善を通じ、眼科医療の質向上につながるものだといえる。企業の担当者からは「近年の製品開発においては、『効率化』と『働きやすさ』のどちらかを優先するのではなく、双方を高い水準で実現することが求められている」といった声が聞かれた。

(第79回日本臨床眼科学会取材班)

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