アレムツズマブ、T-PLLへの適応追加

日本リンパ腫学会が公知申請

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 厚生労働省は、昨日(10月29日)に開催した薬事審議会医薬品第二部会で抗CD52抗体アレムツズマブ(商品名マブキャンパス点滴静注30mg)について、T細胞性前リンパ球性白血病(T-PLL)の公知申請に関する事前評価を実施。公知申請を行っても差し支えないとして、同日付で保険局医療課長通知(保医発1029第3号)、医薬局医薬品審査管理課長と医薬安全対策課長の連名通知(医薬薬審発1029第1号、医薬安発1029第1号)を発出し、関係各所に周知した。今回の公知申請は、日本リンパ腫学会(旧・日本リンパ網内系学会)が行ったもの。

企業見解と国内での使用実態に鑑み判断

 アレムツズマブの現行の効能効果は、①再発または難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)②同種造血幹細胞移植の前治療-(関連記事「アレムツズマブ、同種造血幹細胞移植の前治療で適応拡大承認」)。

 公知申請の妥当性について、製造販売元のサノフィは海外第Ⅰ相試験および第Ⅱ相試験、国内の後ろ向き観察研究と症例報告、国内外の教科書、診療ガイドラインなどに基づき、T-PLLに対するアレムツズマブの有効性が期待でき安全性についても再発・難治性CLLに対する用法用量で投与された場合に新たな安全性シグナルは認められない旨の企業見解を提出。

 昨年(2024年)9月27日に開催された第60回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議では、先述の企業見解を踏まえ、①T-PLLでの要望用法用量は既承認の再発・難治性CLLと同一である、②海外臨床試験および国内使用実態における用法用量は、要望用法用量と同一である、③T-PLLに対する臨床的有用性は説明可能である-として、医療上の必要性の基準に該当すると判断された。

 今回の公知申請により、「T細胞性前リンパ球性白血病:通常、成人にはアレムツズマブ(遺伝子組換え)として1日1回3mgの連日点滴静注から開始し、1日1回10mgを連日点滴静注した後、1日1回30mg を週3回隔日に点滴静注する。ただし、投与開始から12週間までの投与とする。なお、患者の状態により適宜減量する」が追加された。

 なお注意事項として、以下の点の周知徹底も合わせて依頼している。

●本剤は、いずれの用量も1日量を2時間以上かけて点滴静注すること

●1日1回3mgおよび1日1回10mgの連日点滴静注において、Grade3注)以上のinfusion reaction が認められない場合、1日1回3mgでは1日1回10mgの連日点滴静注に、1日1回10mgでは1日1回30mgの週3回隔日点滴静注に、それぞれ増量することができる

●他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性および安全性は確立していない

●本剤の投与中に好中球数減少および血小板数減少が認められた場合、下表を参考に本剤の用量を調節すること。なお、ベースライン時の好中球絶対数が500/μL以下の患者について、有効性および安全性は確立していない。

編集部・関根雄人

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする