糖アルコール(特定保健用食品)
サンダーランド大学薬剤管理学修了(MSc in Medicines Management)
松原 なぎさ
食料品店では様々な甘味料を使ったお菓子や食品が売られています。低カロリーや虫歯予防をアピールするものを見かけますが、これらの甘味料は糖の一種なのでしょうか?今回はチューインガムやキャンディーに使われることが多い糖アルコールを取り上げます。
糖アルコールは糖質系甘味料
甘味料は糖質系甘味料と非糖質系甘味料に大別されます。糖質系甘味料は構造による分類(単糖類・少糖類・糖アルコール)の他、原料や製造過程を基にした分類〈表1〉があります。
表1 原料や製造過程を基にした主な甘味料の分類
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糖アルコールは天然にも存在する?
糖アルコールは糖のカルボニル基が還元されたもので、化学的に安定しています。工業的には酵素反応などを利用して生産されますが、天然にも存在します。例えばソルビトールは主に工業的に生産されますが〈図〉、天然にも存在し、ナナカマドの実やリンゴ、プルーンなどに含まれます。
図 単糖から糖アルコールへの還元例
虫歯の原因にならない糖アルコール
糖アルコールはタンパク質と加熱しても変色しない性質(非褐変性)などを持つことから、主に加工食品の品質安定化のために用いられてきました。現在では低カロリーや虫歯になりにくいなど健康面での特色を生かした利用が盛んになっています。 2015年8月現在、4種類の糖アルコールが虫歯の原因にならない成分として特定保健用食品(トクホ)の認可を受けています〈表2〉。これらの糖アルコールはミュータンス菌(虫歯菌)に分解されないため、口腔内でう蝕の原因となる酸が作り出されません。また、エネルギー換算係数もショ糖(4kcal/g)より低値で、カロリーを抑えることができます。
表2 特定保健用食品(虫歯の原因にならない成分)として認可された糖アルコール
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希少糖と呼ばれるものも
エリスリトールやキシリトールは天然に存在しますが、ブドウ糖と比較すると自然界にある量はごくわずかです。このような自然界にその存在量が少ない単糖およびその誘導体(糖アルコール含む)は希少糖と呼ばれており、約50種類が確認されています。 糖アルコールのなかでも、エリスリトールとキシリトールは既にその機能性が広く知られ、特定保健用食品などでの利用が進んでいますが、この他の希少糖(D-プシコースなど)も様々な生理機能を持っているとして研究が行われています。メタボリックシンドローム対策に活用できる素材としても期待されています。
シュガーレス? ノンカロリー?表示基準があります
エリスリトールは100gあたり0.24kcalとカロリーがほとんどなく、「カロリーゼロ」と表示できます。低カロリーや低糖をうたう表示は様々で紛らわしいものもありますが、健康増進法で栄養表示基準が定められています〈表3〉。 糖アルコールやオリゴ糖は「糖類」には含まれませんが、「糖質」には含まれます。また、「砂糖不使用」という表示は、砂糖(ショ糖)を使用していなくても、果糖や乳糖など他の糖類を含む可能性があることに注意が必要です。
表3 熱量・糖類に関する表示例と基準
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参考文献
[PharmaTribune 2015年月9号掲載]
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